教えてヨーコ先生

ヨーコ先生こと中曽根 陽子（なかそね・ようこ） 数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストであり、幸せな子育てを探究するマザークエスト代表。東洋経済education ✕ ICT、プレジデントオンライン、中学受験ナビなど多くのウェブメディアで執筆。『成功する子は「やりたいこと」を見つけている　子どもの探究力の育て方』（青春出版社）他著書多数。

イラスト：さぶぼーぼ（Instagram／<a href="https://www.instagram.com/sabubobo.i/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">@sabubobo.i</a>）

習い事について悩んでいます。
本人の興味に関わらず、まずはいろいろやらせてみようかなと思ったり、それよりも厳選した方がいいのかと思ったり。
そもそも、習い事ってさせるべきなんでしょうか…。

習い事は出会い。本人が楽しんでいるかどうかで考えてみては。
でも詰め込み過ぎはNG。

このコーナーでもたびたび登場する、習い事に関するお悩みですね。 ご質問に対する考え方はいろいろだと思います。どちらかというと日本は古来、剣道・書道・柔道・弓道という名前の通り「道」という考え方が根強いですよね。 道には、「同じことを繰り返し学ぶことにより得られる最高の状態」という意味がありますし、技と心、やり方・方法、生き方・精神といった意味合いもあります。なので、あれこれ手を出さずに、やり始めたらひとつのことを極めるべきだという考え方も根強いですね。 それも一理あって、積み重ねることでしっかり身につくことは多いと思います。

一方、海外では子どものスポーツに関して、ひとつの競技ばかりやると偏りが出たり、身体を壊す危険性もあったりするので、できるだけいろいろな競技を経験した方がいいという考え方の国も多いようです。

そうですね。確かに日本人はいろいろなことに手を出すことをあまりよく思わない風潮はあるかもしれません。

そうですね。
ここからは私の考えです。年齢にもよりますが、小学校の低学年まででしたら、いろいろなことをやってみてもいいのかなと思います。
やってみないと、何が好きか、何が得意かわかりませんからね。

スポーツでも、たとえば武術のように1対1でやる競技が得意な人もいれば、サッカーや野球のように団体競技が向いている人もいます。 さらに、同じ団体競技でも、サッカーと野球では身体の使い方も違いますから、身体能力的に向き不向き・得意不得意があるでしょう。 また、動き回るのが得意か、じっくり落ち着いて取り組むのが好きか、お子さんの性格、特性によっての向き不向きもありますね。 やはり、得意なことをやる方が楽しいし、続く可能性もあるでしょう。ですから、お子さんの特性を見て向いていそうなものからトライしてみるといいかもしれません。

なるほど。
苦手なことでもトライしてほしいと思っていましたが、特性を見るというのも大切ですね。

それも、やってみてはじめてわかることでもあるので、まずは体験から始めて、お子さんのやりたいという気持ちを大切にしながら、何を残すか見極めていくといいのではないでしょうか。ご家庭によって習い事の目的は違うと思いますが、お子さんの可能性を広げるチャンスでもあるので、時間的にも金銭的にも余裕があるならやらせてあげたらいいと思います。でも、子どもの発達には、余白の時間も大切です。 どれもやりたいと言うからやり始めたら、毎日何らかの習い事が入っていて、中には掛け持ちというお子さんもいますが、そこまでいくと、ちょっとやり過ぎ。 どれも中途半端でこなすだけになってしまいかねません。 詰め込みすぎには気をつけてくださいね。

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