教えてヨーコ先生

ヨーコ先生こと中曽根 陽子（なかそね・ようこ） 数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストであり、幸せな子育てを探究するマザークエスト代表。東洋経済education ✕ ICT、プレジデントオンライン、中学受験ナビなど多くのウェブメディアで執筆。『成功する子は「やりたいこと」を見つけている　子どもの探究力の育て方』（青春出版社）他著書多数。

イラスト：さぶぼーぼ（Instagram／<a href="https://www.instagram.com/sabubobo.i/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">@sabubobo.i</a>）

4月から小学1年生です。入学式が近づくにつれて、ワクワクよりも心配な気持ちが大きくなってきました。入学前の心構えを教えてください。

親の不安は子どもに伝わります。心配しすぎないことが大切です。

4月からピカピカの1年生になられるのですね。おめでとうございます！！ 真新しいランドセルを背負って小学校に通うことを楽しみにされているお子さんの姿が、目に浮かびます。でも、親御さんはワクワクよりも心配な気持ちが大きくなってきたのですね。 幼稚園や保育園とはまた違う生活が始まるのですから、心配になる気持ちは分かります。 具体的に、どんなところが心配でしょうか？

ひとりで学校に行けるか、給食をちゃんと食べられるか、先生の言うことを聞いて行動できるか、勉強についていけるか、新しいお友だちと仲よくできるか…心配しだしたら、いろいろ気になってきてしまいました。
特に、決まりを守って集団行動ができるかすごく心配です。

そうなのですね。確かに、幼稚園や保育園より決まりごとは多いでしょうし、先生によっては厳しい方もいらっしゃるかもしれません。小学校では、ひとりの先生が最大35人の子どもたちを見なくてならないので、集団行動がなければ学校生活も授業も成り立ちませんからね。

なので、入学したらすぐに、学校で守るべきルールについてお話があるでしょうし、先生によっては、わざと厳しめにおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。 でも、それは「子どもたちが安全に過ごせるように」という配慮からきているものだということを、親子で理解しておいた方がいいですね。そして、まずはお子さんが学校生活にスムーズに慣れることができるように、いまのうちから小学校生活をイメージできるようなお話をしておくといいのではないでしょうか。&nbsp;

具体的にはどんな話をすればいいでしょうか？

たとえば、通学路を一緒に歩いてみて交通ルールを確認したり、曲がり角などに目印を見つけてみたりするのはいかがでしょうか。また、給食の時間には給食当番が盛り付けをすることや、1コマ45分の授業時間があり、毎日時間割に沿っていろいろなお勉強をすること。さらには、休み時間には遊べることなど、学校生活がイメージできるように話してあげてはどうでしょう。 お家で食事の盛り付けや配膳などをやっておくと、なお安心ですね。でも、あまり細かいことを言いすぎると、せっかくのワクワクした気持ちが不安に変わってしまいかねないので、学校が楽しみになるように伝えてあげてくださいね。また、幼稚園や保育園の時より朝早く家を出ることになると思うので、早寝早起きの習慣をつけておくことも大切ではないでしょうか。&nbsp;

<a href="https://shogakko-film.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「小学校 ～それは小さな社会～」</a>というドキュメンタリー映画をご存じですか？東京の小学校の1年生と6年生の1年間を追っているのですが、その中で、小学校に入学した子どもたちが、靴箱の使い方、ランドセルのしまい方、廊下の歩き方や掃除道具の使い方を学ぶところから始まり、いろいろな経験を通して「小学生になっていく」様子が描かれていました。学校という場所は、子どもたちが経験する最初の社会。集団生活を送る上で大切なことを学んでいきます。&nbsp; でも、その途中には、もちろん失敗もたくさんあります。お友だちと喧嘩したり、先生に叱られたり、ときには理不尽だなと思うこともあるかもしれません。もしかしたら、親御さんのいまの不安の裏には、「子どもがちゃんとできないと、私がどう思われるか」という心配もあるかもしれません。でも、親の不安や心配は、口に出さなくてもお子さんに伝わり、萎縮させてしまいかねません。ピカピカのランドセルと共に、いろいろ経験を通して子どもは成長していくのだと考えて、親も一緒に成長をしていきませんか。&nbsp;

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