教えてヨーコ先生

ヨーコ先生こと中曽根 陽子（なかそね・ようこ） 数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストであり、幸せな子育てを探究するマザークエスト代表。東洋経済education ✕ ICT、プレジデントオンライン、中学受験ナビなど多くのウェブメディアで執筆。『成功する子は「やりたいこと」を見つけている　子どもの探究力の育て方』（青春出版社）他著書多数。

イラスト：さぶぼーぼ（Instagram／<a href="https://www.instagram.com/sabubobo.i/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">@sabubobo.i</a>）

子どもの底力を信じて見守る勇気がなかなか持てなくて、先に口を出したり手助けをしたりしてしまいます。
考えれば考えるほど見守るのが難しくなります。

そうなんですね。
まずはお子さんがどんなときに見守れないと感じるのか考えてみましょう。

たとえば…<ul><li>手助けをしないと失敗しそうなとき</li><li>手助けをしなかったら、子どもが傷つきそうだと思うとき</li><li>ほかの子どもと比較して見劣りすると思うとき</li><li>ほかの子とトラブルになりそうなとき</li></ul>いろいろな場面があると思いますが、おそらくどれもできれば見たくない光景かもしれませんね。 でも、子どもにとってトラブルになりそうな芽を、すべて摘み取ってしまったらどうなるでしょうか…。

わたしはこう思います。「子どもの『やり抜く力・失敗しても立ち上がる力』を育てるためには、親は手を出しすぎず見守ったほうがいい」と。 そしてこのことは教えてヨーコ先生<a href="https://www.seiban-sodasoda.com/episodes/detail/yokosensei-250312/">「子どものチャレンジを応援したい！親としてできることは？」</a>でもお伝えしているように、多くのエビデンスによって証明されています。ですが、これって簡単なことではないですよね。少し手助けをしてあげたらうまくいくと思えるときに、手を出さずに見守るってかなり難しいことです。

そうなんです。
でも、それができないのは子どもを信じていないってことかもしれないと思ったり…

いろいろなことを考えれば考えるほど、見守るのが難しくなるのもわかります。でもきっと心の底では「子どもには底力がある」と信じていらっしゃると、わたしは思います。ここで改めてお伝えしたいのは、「見守る」って簡単なことではないということです。だから、すぐにできなくても当然です。 そもそも親歴（親になってからの年数）は子どもの年齢と同じですから、親としての力はまだまだ伸びしろがあるはずです。「子どもの底力を信じたい」と思っている。それだけでも充分素晴らしいことです。

ついつい口出し・手出ししてしまうのも、見守るのも、どちらも愛情があるからこそ。でも、 「子どもはひとりで何もできない」と思うか、 「子どもはひとりでもできる力がある」と思うか。 親が持つ子どものイメージは、その子が大人になったときの行動を左右します。「子どもはひとりでは何もできない」と思う親は、すぐに手助けをしたり、危険に敏感で過保護になったりする傾向があります。 一方「子どもはひとりでもできる力がある」と思う親は、子どもを信頼し、ひとりでできる環境を準備してサポートする傾向があります。 どちらの親の子どもが底力を発揮できそうでしょうか。

「ひとりでできる力がある」と思う親の子どもだと思います。
子どもに将来自立してほしいと思っているので、見守りたいです。

それならなおさら、手を出し過ぎないようにしましょう。 従順に、大人の言うことをしっかり聞く受け身の姿勢だけでなく、自分の意思で行動する力も必要です。かといって、手を離しすぎてもだめ。いつもちょうど良い距離感で関われたらいいのですが、そうはいっても、成長中の子ども相手です。 &nbsp;あるときはうまくいっても、次はそのやり方ではうまくいかない、そんな試行錯誤の繰り返しでいいと思います。その都度「この子にはひとりでできる底力がある」と自分に言い聞かせてみませんか。 親がこのような気持ちを持って子どもに関われば、子どもにそれが伝わって、自分には力があると思うようになりますよ。焦らず、楽しみながら、親歴を積み重ねていきませんか？

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